川崎市高津区の保育園一次倍率(2017年/平成29年度版)

この記事をシェア

この記事では、神奈川県川崎市の高津区が公開した2017年(平成29年)4月の保育所等利用申込・利用調整結果状況(一次利用調整)の倍率を、前年度(2016年4月)のデータと比較するかたちでご紹介します。

かつて保育園激戦区と呼ばれた川崎市。現在の待機児童数は驚異的な少なさを誇るようで、2017年4月度には2年ぶりに待機児童ゼロ人を達成しています。でも、保育園探しをした人ならみんなわかってると思いますが、この待機児童ゼロは数字のマジックです。

なので、川崎市の保育園の激戦度合いを知るには、「何人が申し込んで、何人が入園できたか」という競争率を見ていただくのが手っ取り早いと思います。

JR南武線と田園都市線が溝の口・武蔵溝ノ口駅で交差する川崎市高津区の2017年4月入園の保育園利用倍率を公開します。

スポンサーリンク

高津区の認可保育園の倍率は8.3倍?

2017年(平成29年)4月入園の川崎市高津区の認可保育施設の一次募集の内定数は全年齢(0歳児から5歳児)の合計で987人でした。これは約55の施設(保育園・保育ママ・認定こども園など)の合計です。在籍児童の進級はカウントしてません。

2017年4月入園児には、8,158名が応募したうち、入園できた子どもは987名だったので、競争倍率は8.3倍です。9人に1人しか入れないということです。ただし、この応募人数は、複数の園に希望を出した人の累計数です。1人最大8園に併願できるので、実倍率は1倍に近いかもしれません。

一人複数の園に応募しているという前提での川崎市高津区の保育園の年齢別の競争率(2017年4月)は以下の通りでした。

  • 0歳児…7.4倍(内定296人に申請2195人)
  • 1歳児…9.1 倍 (内定432人に申請3927人)
  • 2歳児…10.4 倍 (内定107人に申請1116人)
  • 3歳児…7.2 倍 (内定103人に申請745人)
  • 4歳児…4.7 倍 (内30人に申請142人)
  • 5歳児…1.7 倍 (内定19人に申請33人)

全体では、申請8,158人に対して内定987人、倍率は8.3倍です。応募者の多い0−2歳児は、みんな必死に第8希望まで記入すると思うので、実際の倍率は0歳児でほぼ1倍、1歳児で1.1倍、2歳児で1.3倍くらいでしょうか。同じ川崎市の中原区(武蔵小杉を擁するエリア)と比べるとやや競争は激しくないようです。

川崎市中原区の保育園一次倍率(2017年/平成29年度版)
この記事では、神奈川県川崎市の中原区が公開した2017年(平成29年)4月の保育所等利用申込・利用調整結果状況(一次利用調整)の倍率を、前年度(2016年4月)のデータと比較するかたちでご紹介します。...

川崎市高津区の保育園の競争率、前年度との比較

高津区の保育園の競争率のデータを昨年度と比較してみましょう。

2016年4月の川崎市中原区保育園倍率

  • 0歳児…6.4 倍 (内定270人に申請1729人)
  • 1歳児…8.0 倍 (内定404人に申請3239人)
  • 2歳児…7.3 倍 (内定139人に申請1016人)
  • 3歳児… 6.0倍 (内定93人に申請561)
  • 4歳児… 4.3倍 (内定21人に申請91人)
  • 5歳児… 3.0倍 (内定7人に申請21人)

全体では、申請6657人に対して内定934人、倍率は7.1倍でした。

川崎市高津区の保育園の倍率は、前年と比較すると着実に上がっているようです。

  • 内定者数:934名→987名 (53名増加)
  • 応募人数:6,657名→8,158名 (1,501名増加。ただし、延べ人数なので参考値)
  • 倍率:7.1倍→8.3倍

まず、応募の多い0-3歳児、全てのクラスで倍率が+1倍くらい増えています。

内定者が1割くらいしか増えていないのに、応募のべ人数が2割くらい増えているのです。前年度のデータは倍率8倍弱だったものの、1人8園近く希望を出すことを考えると、比較的入りやすい地域に見えていました。でも今年からはそうでもないようです。

また、他の川崎市内の自治体でもいえることなのだけど、ここまで保育園需要が高まっているなかで、内定者数を53名増加というのはいささか少なすぎるように感じます。(前年比5.7%しか増えていません)

定員53名増加というのは、約50園ある高津区内の保育園が各園なんとか1名定員を増やせば達成できる数字です。新しく園を作ったり、人を増やさずにできるギリギリの数字といえます。データで判断する限り、高津区(川崎市)は待機児童問題をあまり積極的に解消する意思がないと思います。

お隣横浜市の待機児童の定義に関する考察はこちら。

あれ、この人たちは数えない?横浜市の待機児童数の定義の秘密
この記事では、2015年度4月の待機児童数がわずか8人だった横浜市における「待機児童数」の定義をご紹介します。 前回の記事「横浜市の待機児童ワーストランキング(2015年/平成27年度版)」にて...

おわりに:この記事のデータについて

この記事のデータは川崎市がPDF形式で公開している中原区の保育園の一次募集の調整後申請数と実際に内定を出した数の一覧表を、当方が手作業で集計して、年齢別の倍率を算出しています。

元データはこちらです。

川崎市高津区の認可保育所等の利用調整結果(PDF)

http://www.city.kawasaki.jp/450/cmsfiles/contents/0000030/30624/40takatu-itiziriyouchouseikekka.pdf

情報を掲載しているページ

保育所等の受入可能数(予定)・利用調整結果等について最新の情報を更新いたしました。

・平成29年4月の保育所等の利用調整に関する申込数及び内定数を掲載します。
・申込数は、利用を希望されている児童の延べ申込人数です。
・内定数は、新規の入所予定数です。

この記事で紹介した倍率は、定員若干名の家庭的保育施設から定員150名の大規模保育園、そして0-2歳向け、1-5歳向けなど、様々な園のデータを一緒くたに集計したものですので、実態とは隔たりがあることをご承知おきください