この記事では、2016年(平成28年)4月時点の横浜市の保育所等利用待機児童数について区ごとのワーストランキング形式でご紹介しています。待機児童数は市全体でたった7名だということです。
私の出身地である神奈川県横浜市が、最新の保育園待機児童数を公開していました。
300万人都市である横浜市。激しい競争の末、待機児童になってしまった方の数は…わずか7名でした。東京都の1000名近い数に比べると、天国のような数字に見えますね。前年度8名から1名減、10%以上待機児童数を減らしています。でも実態はどうなのでしょう。公開資料を読み込んでみます。
保育園待機児童の数えかたが独特な横浜市
以前に書いた記事で、横浜市の待機児童の数えかたをご紹介しました。
横浜市では、保育園を希望したけれど、入園できなかった人を「保留児童」と呼んでいます。定義的には待機児童と呼んでもよさそうなものです。そして、その保留児童のなかから…
- 横浜保育室等に入所している
- 育休関係
- 主に自宅で求職活動されている方
- 特定保育所等のみの申込者など
これらの人を除いた人が「待機児童」と見なされます。東京都などでは、2や3の人は(条件あるけど)数えないので、数字のマジックとしかいいようがありません。
実質待機児童:横浜市の保留児童は増えているのか?
ここからは資料を読み込んでいきたいと思います。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kodomo/kinkyu/file/280426taikijidou.pdf
こちらのPDFファイルが「横浜市記者発表資料:平成28年4月1日現在の保育所等利用待機児童数について」です。平成28年(2016年)4月26日に子ども青少年局保育対策課によって公開されています。
横浜市の就学前児童数は185,564人で、前年同月比で2,031人減っています。
保育園を希望した子どもの数は61,873名で、前年比4,347名増えました。
保育園希望者は初めて6万人越えで、過去最大を記録したようです。過去4年間、子どもは若干減りつつも、保育園希望者は2000〜4000人規模で増え続けているようです。子ども対策で一番頭を抱えそうなパターンですね。
保育所等利用定員は、58,756名で、前年から3,764人増えました。
定員とは、保育所、認定子ども園、地域型保育の定員を足した数です。無認可保育施設や、「横浜保育室」は含まれません。
保留児童数(希望者数と利用者定員のギャップ)は、3,117人でした。これは前年比583人増です。
6.1万人の希望者に対し、受け皿はそれより少ない5.8万人です。希望者が4,347人増えたけど、定員は3,764人増加と、600人近いギャップがあったわけです。
この保留児童のうち、1000人ほどが横浜保育室(市が独自基準で制定した保育施設)に無事入園しています。ただ、780人ほどは、親が育休を取っているから(保活中なのでそれは当然)、または職に就いていないから(出産で退職・求職中だとおもう)、という理由で待機児童扱いされていません。さらに1,337人の方は、「特定保育所等のみの申込者」というカテゴリで、待機児童としてカウントされていません。これは
特定保育所等のみの申込者など:1か所しか申し込んでいない方、2か所以上申し込んだに もかかわらず、第1希望等の保育施設しか利用を望んでいない方、申し込みをされた園や自宅 の近くに利用可能で空きがある保育施設があるにも関わらず利用を希望されない方 など
という理由だそうです。すごく悪意のある解釈をすると「選り好みしてるから保育園入れなかったんだよ」という理由で待機児童にカウントしないようです。
そんなこんなで、めでたく横浜市の待機児童数は、前年比1名減の7名となっています。
横浜市の区別待機児童数ワーストランキング
最後に、この定義では完全に意味がないとは知りつつも、横浜市の区別の待機児童数のワーストランキングを作成しました。
横浜市待機児童数ワースト1位:鶴見区 (3名)
横浜市待機児童数ワースト2位:神奈川区(2名)、港北区(2名)
横浜市待機児童数ワースト4位タイ:(すべて0名で同率) …西区、中区、南区、港南区、保土ヶ谷区、旭区、磯子区、金沢区、緑区、青葉区、都筑区、栄区、戸塚区、泉区、瀬谷区
以上です。鶴見区は少なくとも3年連続ワースト1位のようですが、保留児童数を比べると、もっと大変な区はいっぱいあるようです。