この記事では、東京都の待機児童数ワーストランキング2016年版を公開しています。東京都にある全ての市区町村の待機児童数を多い順に紹介します。
「子育てJAPAN」では東京都近郊の保育園待機児童数を、自治体が発表する情報を整理して公開しています。東京都が2016年の待機児童数を公開したので、東京都の保育園待機児童数ワーストランキングを作成しました。
(2017年のランキングはこちら)
2016年は前年比で652人ほど待機児童が増え、東京都全体の待機児童数は8,466人だったそうです。詳しく内訳を見てみましょう。
2016年度:東京都の待機児童数ワースト1位〜10位
まずはトップ(ワースト10)の市区です。世田谷は定位置の待機児童数ワースト1位の座をキープしています。3つの市もランクインしています。
1位:世田谷区…1198人
2位:江戸川区…397人
3位:板橋区…376人
4位:渋谷区…315人
5位:足立区…306人
6位:目黒区…299人
7位:府中市…296人
8位:調布市…289人
9位:江東区…277人
10位:三鷹市…264人
世田谷区は2位以下に大差をつけて1000人越えです。もっとも前年とほぼ変わっていません。保育園を増やしているのに子どもが増えるため、待機児童が減らないという状況のようです。
ちなみに、子どもの数が多ければ待機児童数は多くなりやすいです。上位になってしまう市区は、なにも待機児童対策が不十分というだけではなくて、単純に子どもの数が多い市区でもあります。
東京の未就学児童数人口トップ10は、世田谷区、江戸川区、練馬区、大田区、足立区、江東区、板橋区、八王子市、杉並区、葛飾区です。人口が多い10つの市区のうち、5つの市区が待機児童数ワースト10に入っているのはある意味当然ともいえます。
特筆すべきはワースト10位の三鷹市でしょうか。未就学児人口数は9,343人で東京62市区町村のうち28位、待機児童数ワースト10のうち、唯一未就学児人口が1万人未満です。激戦区と言えます。
ちなみに、世田谷区、渋谷区、三鷹市、そして狛江市、台東区は、それぞれ保育園定員に対する待機児童の割合が7%を超えています。保育園超激戦区といえるでしょう。
2016年度:東京都の待機児童数ワースト11位〜20位
続いて11位から20位まで。4つの市がランクインしてきます。
11位:中央区…263人
12位:中野区…257人
13位:台東区…240人
14位:北区…232人
15位:大田区…229人
16位:立川市…198人
17位:日野市…183人
18位:町田市…182人
19位:品川区…178人
20位:小平市…167人
2016年度:東京都の待機児童数ワースト21位〜30位
そして21位から30位までです。前年度は29位までが100人超えだったのだけど、今年は32位まで100人を超えています。
21位:練馬区…166人
22位:荒川区…164人
23位:小金井市…154人
23位:西東京市…154人
25位:狛江市…142人
26位:八王子市…139人
27位:杉並区…136人
28位:墨田区…134人
29位:武蔵野市…122人
30位:葛飾区…106人
就学前児童人口が都内3番目に多い練馬区が、21位という位置にいるのは驚きです。ただし、練馬区の待機児童の定義は「緩い(育休延長してしまった人を数えない)」らしいので、実態はこれより多いと想像します。
23位の小金井市も市の大きさの割に待機児童数が多いイメージがあります。この位置にあるのは実態を反映していないかもしれません。
2016年度の東京都全体の待機児童数が8,466人、ここまでに出てきた30市区の合計で7,563人、全体の89%を占めています。
2016年度:東京都の待機児童数ワースト31位〜49位
中途半端だけど、31位から49位までです。
31位:豊島区…105人
32位:国分寺市…102人
33位:文京区…98人
34位:東久留米市…92人
35位:国立市…81人
36位:多摩市…79人
37位:東村山市…76人
38位:港区…64人
39位:新宿区…58人
40位:清瀬市…44人
41位:青梅市…25人
42位:瑞穂町…25人
43位:昭島市…21人
44位:あきる野市…18人
45位:東大和市…7人
46位:八丈町…4人
47位:日の出町…2人
48位:羽村市…1人
49位:三宅村…1人
ここまでくると僅差です。23区から豊島区、文京区、港区、新宿区がやっと登場しています。豊島区などは以前はかなり待機児童数が多かったけれど、すっかり23区の待機児童少ない地域常連です。
2016年度:東京都の待機児童数ワースト50位(待機児童ゼロ)
以下が2016年度東京都の待機児童ワーストランキング最下位である50位タイとなった市区町村です。最下位タイというのは要するに、待機児童ゼロの地域です。
50位:稲城市…0人
50位:武蔵村山市…0人
50位:千代田区…0人
50位:福生市…0人
50位:大島町…0人
50位:小笠原村…0人
50位:新島村…0人
50位:神津島村…0人
50位:奥多摩町…0人
50位:檜原村…0人
50位:御蔵島村…0人
50位:利島村…0人
50位:青ヶ島村…0人
例年通り23区から千代田区が唯一待機児童数ゼロを達成しています。
なお、50位タイ(待機児童数ゼロ)の地域は、就学前児童人口が多い順に並べています。稲城市の就学前児童人口が4961人、武蔵村山市と千代田区がそれぞれ約3000人、福生市が2300人で、あとは7人〜359人というとても小さな地域です。
と、いうわけで、東京都の62自治体の待機児童数を全てご紹介しました。ご自身のお住まいの地域は何位でしたか?
ワーストランキングは、どうしても人口が多い自治体が上位に来やすいので、人口と待機児童数の比率をつかって、保育園の「隠れ激戦区」「競争率低め」も記事にしています。
ちなみに、以下に待機児童の定義に関する記事をご紹介します。
「保育園に入れなかった子ども」が待機児童、というわけではありません。もしあなたが保育園に入れずに育休延長して「うちの子が待機児童になっちゃった…」と嘆いていたとしても、国の定義では「育休を延長している人は待機児童に含めない」となっているため、あなたのお子さんは待機児童に数えられていないかもしれません。
ただし、あくまでこれは地域によって数え方が違います。ワースト1位の世田谷などは育休延長した人も数えているようです。
そんなわけで、「待機児童が少ない地域に引っ越そう」と考えている方は、こちらのランキングで早とちりせず、地元の方の体験談や、役所に問い合わせるなどして、正確な事実把握をしてください。
最後に、こちらでご紹介した情報は全て、東京都福祉保健局が公開している情報をもとに作成しました。福祉保健局は、各市区町村から集めた情報を集約しているだけなので、待機児童の数え方は各市区町村にお任せ、のようです。
東京都:都内の保育サービスの状況について(2016年/平成28年7月19日公開)