この記事は、東京都で認可保育園に入るための活動(保活)をされている方向けに、認可保育園の入園は、いったいどうやって決めているのか、選考基準の仕組みについて図を交えてわかりやすく説明します。(東京の保活シリーズ全7回の第5回です)
東京都の認可保育園の入り方のまとめ第5回です。入園までの手続きスケジュールに続いて、認可保育園の選考基準についてご説明します。(他の記事については目次のページをご覧ください)
東京都には毎年待機児童が発生します。ほとんどの認可保育園には定員を上回る応募があります。誰を入園させて誰を入園させないか、どうやって決めるんでしょうか?
認可保育園への入園はどうやって選考される?
定員を上回る応募があった場合、早い者勝ちや抽選という方法が出てきます。
でも東京都内の多くの認可制の保育園の選考は「ポイント制」です。
つまり、「我が家の方が保育園に入れられないと大変なんだ!」という度合いをポイント換算して、ポイントが高い家庭から入園できるようになっています。
なんだか抽象的になってしまうので、ある区の例を図示します。
上の家庭は、妻がアルバイトで1日8時間、月20日勤務しています。夫は会社員で同じく月20時間、ただし時短勤務のため1日6時間働いています。
下の家庭は妻が自営業で1日8時間、月20日勤務、夫は学生で週に6日通学しています。
どっちが大変、なんて一概には決められないのだけど、これを然るべきルールにのっとって、数値(ポイント)にします。多くの自治体で、夫婦の点数を合計して数値の大小を競います。結果、下の家庭は40点、上の家庭は38点となったので、下の家庭が優先的に保育園に入れます。
※ごく稀に例外があって、例えば東京都北区では、「世帯代表者(おもに両親)の指数のうち低い人1人の点数」で競います。
正社員・自営業・パートの区別は無し。市区町村によって満点は違いますが、だいたい「両親共働き・フルタイム勤務(時短無し)」で満点になるような設定です。勤め人の場合、勤務先に頼んで勤労状況を証明する書類を作成して、申し込み時に提出します。
ちなみに、些細な点だけど常時週5日働いている人は「月20日勤務」と認定してくれるようです。「今月は休日が多くて18日しか働いてない・・・」と心配になる必要はありません。
特定の家庭に対する「調整指数」の追加
これに加え、「調整基準」といった名称で、プラスマイナスが付きます。ゴルフでいうところのハンデです。ドラゴンボールで例えると、相手が弱いので片手で戦うことです。
具体的にいうと「片親が単身赴任だと+1点」とか「保育料滞納中なので-10点」とかです。
要するに、「両親週5日フルタイム勤務」よりもシンドイ状況には加点しよう、ということです。
図の例では、片親がいない(死別・離婚など)ので、いない親は満点の20点として、さらにひとり親調整で6点加算されました。
激戦区は両親週5日フルタイム勤務だけでは不十分で、調整基準の加算が無いと落選することもあるようです。役所で保育園の担当をしている人にしっかり自分の状況を説明して、追加点やマイナス点がないか、確認しましょう。
基準点の決め方と、調整基準の項目の一覧は、市区町村が発行している認可保育園の入り方の冊子に必ず掲載してあるので、しっかりチェックしましょう。また、役所にいくと、それぞれの保育園で前年度入園の最低点が書かれた資料を見せてくれることもあるようです。(練馬区では見られました。足立区はウェブで公開していました)
この基準制度は、申請と証明書類に基づいた客観的評価になるので、担当者も機械的に選考せざるを得なくなります。「嘆願状を書いて担当者の情に訴えろ」なんてテクニックを聞いたことがあるけれど、おそらく効果はないでしょう。(恥ずかしながら我が家はやりました。。)
次の記事は、第6回. 保育料って幾らかかるの?です。