2017年/平成29年の杉並区の待機児童ゼロの実態

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この記事では、2018年4月1日時点の東京都杉並区の保育園待機児童がゼロだったという発表に対して、実際に保育園に入れなかった人数がもっと多いことについて書いています。

東京都の杉並区が、「待機児童ゼロ」を実現しました、という発表をしていました。

杉並区公式ホームページ

タイトルを聞くと素晴らしいことです。杉並区は、増え続ける待機児童数に歯止めをかけるべく、都・国の認可は得られないけど、区が独自につくる「杉並区保育室」を14箇所オープンさせるなど、待機児童対策に力を入れている自治体という印象があります。(なお、一時期減らしたけど、そのせいで人が集まったのか、近年は待機児童増えてた)

待機児童ゼロということで、本当に誰もが保育園に入れるようになってるんでしょうか?

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杉並区の認可保育園、無事に入園できたのは75%だけ

はじめに夢を打ち砕くと、杉並区の認可保育園の定員約4,000人なんですが、これに無事預けることができたのは、だいたい3,000人です。4人に1人は入ることができていません。

杉並区が公開している情報を引用します。

平成30年4月認可保育所申込者の状況

項目 平成30年4月(速報値)
(注1)
(参考)
平成29年4月
入所申込者数 4,080名 4,457名
認可保育所等(注2)入所者数 3,019名 2,921名
申込取下・内定後辞退数 383名 313名
認可外保育施設の入所者数 363名 866名
除外数(注3) 315名 328名
待機児童数 0名 29名

注1:平成30年4月1日時点の状況。
注2:認可保育所・地域型保育事業(小規模保育、家庭的保育、事業所内保育、居宅訪問型保育)。
注3 :特定の保育所を希望されている方、30年4月時点で復職の意思がないと判断される育児休業中の方等が該当。

杉並区の認可保育園に4,080人が応募して、3,019人が入所できました。

ただ、残りの1,061人が待機児童になるわけじゃなくて、その中でも認可外保育園に運良く入れた人が4割くらいいます。また、内定を辞退した人も4割くらいいるようです。(詳しくは不明だけど、もっと良い無認可に入ったか、希望と違う園だったかでしょうか)

一番注目したいのが(注3)の除外数です。こちらは、特定の保育所を希望されている方と、復職の意思がないと判断される育休中の方などが含まれています。

この2つの理由って全く異なるので、多くの自治体は、別々に集計しているのだけど、杉並区はいっしょくたに扱っているのが残念です。

この数字が315人だったので、待機児童は実際は315人くらいいる、と考えるのが妥当です。

考え方についてはこちらの記事もご参照ください。

保育園「待機児童」の定義見直し(2017年/平成29年)
この記事では、2017年3月31日に厚生労働省から各自治体に通知された、「新しい待機児童の定義」について、厚生労働省の資料をもとに解説しています。育休・求職中の人に配慮した定義に変更されるようです。 ...

子どもが生まれた→育休→保育園に応募した→落ちた→会社は育休が延長できる→来年度の入園に望みを託して育休延長

こういう人ってけっこういるので、本当は保育園入りたかったけど、育休を延長した結果、待機児童とみなされていないんです。(育休延長という制度があるだけ恵まれている、、とはいえますが、入りたい人が入れないのはちょっと悲しい)

結局杉並区の待機児童問題は改善されているの?

見切り発車な記事で恐縮なんですが、杉並区が平成30年度/2018年度に待機児童対策に本腰をいれたのか、ちょっと疑問符がついています。

そう感じる理由は2つです。

・認可外保育園入所者が、前年から半分に減っている

→認可外だった保育園を認可保育に変更することで、全体の保育園の定員を変えず、「認可保育園」の定員だけを増やす、という数字のマジックが起こっている可能性があります。

・申し込み取下、内定後辞退数が前年から2割増えてる

→せっかく決まった保育園を辞退する、取り消すって結構な決断がいると思います。

杉並区では、丁寧なマッチングを行ったとあるので、「あなたの希望する園は厳しいけど、ここなら入れるかも」というアドバイスがなされているはずで、その結果、希望しない園に受かってしまった人がいるのかもしれません。(これ、想像です)

ただ、杉並区のサイトにもあるとおり、過去2年間の認可保育園の内定率が、50%→65%→75%とメキメキと改善されているので、認可保育園に入りやすい区にしていることは間違い無いと思います。