埼玉県の待機児童ワーストランキング(2017年/平成29年度版)

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この記事では、埼玉県の待機児童ワーストランキングとして、埼玉県が公開している2017年度(平成29年度)4月時点の保育園待機児童数を、市町村別に、多い順にご紹介しています。

※最新版2018年の待機児童ランキングはこちらの記事です。

埼玉県の待機児童ワーストランキング(2018年/平成30年度版)
この記事では、埼玉県が公開している2018年度(平成30年度)4月時点の保育園待機児童数をもとに作成した、埼玉県の市町村の待機児童ワーストランキングを公開します。 都心に勤める方が多く家を構え...

東京の近郊都市として、家を構える方も多い埼玉県。東京に比べると待機児童も少ないように思われます。そんな埼玉県が2017年(平成29年)4月時点の待機児童数を公開しました。

埼玉県が発表した市・町村別の待機児童数の資料がこちらです。

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0607/documents/29taikisityousonbetu.pdf

前年同様に、子どもの数を含まない単純な待機児童数だけの集計なので、子どもが多いから待機児童が多いか、といった考察がしづらい資料です。こちらの情報をもとに、待機児童の多い少ないランキングを作成しました。

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埼玉県の待機児童数ワーストランキング(2017年度/平成29年度版)

埼玉県にある63の市町村を、待機児童数が多い順に、ワーストランキング形式で公開いたします。ワースト10については、前年度(2016年4月)からの順位変動を付け足しています。また、埼玉県では国の「待機児童の新定義」にともない、待機児童の集計方法を見直しました。厳しめの集計方法になったので、待機児童数は全体的に増えました。ただ、11の市においては前年度とおなじ集計方法をしているため、異なる集計方法がランキング内に混在しています。(詳しくはこの記事の最後で)

なお、前年度(2016年度)の待機児童ランキングはこちらです。あわせてご覧ください。

埼玉県の待機児童ランキング(2016年/平成28年度版)
この記事では、埼玉県の待機児童ワーストランキングとして、埼玉県が公開している2016年度(平成28年度)4月時点の保育園待機児童数を、市町村別に、多い順にご紹介しています。 東京の近郊都市として...

埼玉県の待機児童数ワースト10

1位:朝霞市…114人 (前年3位↑)
2位:志木市…104人 (前年18位↑)
3位:新座市…89人 (前年5位↑)
4位:戸田市…83人 (前年1位↓)
5位:富士見市…66人 (前年12位↑) ※従来と同じ集計方式
5位:三郷市…66人 (前年8位↑) ※従来と同じ集計方式
7位:川越市…64人 (前年7位→)
8位:和光市…62人 (前年11位↑)
9位:吉川市…58人 (前年14位↑)
10位:川口市…49人 (前年2位↓) ※従来と同じ集計方式

埼玉県内の市の人口トップ5はさいたま市、川口市、所沢市、川越市、越谷市のようです。人口の多い都市が上位になると思いきや、ワースト1位は前年3位だった朝霞市でした。定義の変更の影響か、前年度から40人ほど待機児童を増やしています。

前年1位・2位だった戸田市、川口市はいずれも待機児童数を減らしています。特に戸田市は定義を厳しくしたのに待機児童数を20名ほど減らすことに成功しています。川口市は前年度と同じ集計方法で待機児童を減らせているものの、依然として古い定義でカウントしているので、実態はよく見えません。

埼玉県の待機児童数ワースト11位〜20位

11位:狭山市…46人
12位:東松山市…43人 ※従来と同じ集計方式
12位:越谷市…43人
14位:久喜市…40人
15位:草加市…39人
16位:熊谷市…29人
17位:入間市…27人
18位:所沢市…26人
18位:白岡市…26人 ※従来と同じ集計方式
20位:嵐山町…25人

前年度ワースト10以内だった草加市、狭山市、東松山市がランクを下げています。

熊谷市は前年0人だったのが、定義変更により29名を計上です。

埼玉県の待機児童数ワースト21位〜40位

21位:春日部市…24人 ※従来と同じ集計方式
22位:上尾市…24人
23位:ふじみ野市…24人
24位:八潮市…16人 ※従来と同じ集計方式
25位:松伏町…16人
26位:蓮田市…13人
27位:滑川町…13人
28位:蕨市…10人 ※従来と同じ集計方式
29位:坂戸市…9人
30位:飯能市…3人
31位:秩父市…2人
32位:深谷市…2人
33位:伊奈町…1人
34位:三芳町…1人
35位:川島町…1人
36位:さいたま市…0人 ※従来と同じ集計方式
36位:北本市…0人 ※従来と同じ集計方式
36位:行田市…0人
36位:加須市…0人
36位:本庄市…0人
36位:羽生市…0人
36位:鴻巣市…0人
36位:桶川市…0人
36位:幸手市…0人
36位:鶴ヶ島市…0人
36位:日高市…0人
36位:毛呂山町…0人
36位:越生町…0人
36位:小川町…0人
36位:吉見町…0人
36位:鳩山町…0人
36位:ときがわ町…0人
36位:横瀬町…0人
36位:皆野町…0人
36位:長瀞町…0人
36位:小鹿野町…0人
36位:東秩父村…0人
36位:美里町…0人
36位:神川町…0人
36位:上里町…0人
36位:寄居町…0人
36位:宮代町…0人
36位:杉戸町…0人

36位以下は全て待機児童数がゼロです。保育園事情が良いというより、単純に人口の少ない町村部では待機児童もゼロな事が多いということです。そのなかで、人口の多いさいたま市が待機児童ゼロというのは異彩を放ちます。ただ、さいたま市は従来の定義でカウントしているので、実態はもっと待機児童がいると予想されます。

2017年度(平成29年度)埼玉県の待機児童数の概況

埼玉県の2017年4月1日時点の待機児童数は1,258人でした。前年(1026人)比で残念ながら232人も増えています。ただ、これは集計方法を厳しめに変更したことによる増加でもあるようです。前年と同じ集計方式にしていたならば、1,012人で、わずかながら(14人)前年より待機児童を減らせていたことになります。

なお、埼玉県の発表資料によると、2016年度中に保育所等の受け入れ数を6,667人増やしたそうです。それに対し、2017年4月利用申し込みは6,393人増えていたことになるようです。

3年連続で受け入れ可能数を増やした結果、少しずつ申込数の増加が鈍ってきたようで、過去4年間で初めて受け入れ可能数の増加が申込数の増加を上回りました。(でも待機児童は増えた)

埼玉県における待機児童数集計方法の変更

ワーストランキング中でも触れましたが、2017年度より、待機児童の集計方法に大きな変更点があったので、こちらをまとめてみました。

待機児童に関してはここ数年「待機児童が少ないといっているけれど、実態より少なく集計している」という問題が叫ばれています。(例:横浜市や川崎市はここ数年間待機児童数が一桁で推移)

これにともない、厚生労働省では、待機児童の定義を見直しました。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000159936.pdf

これまで、育休取得中で待機児童になってしまった人を待機児童から外していたのだけど、「育休中で待機児童になってしまった。でも保育園入園できしだい復職したい」という意思のある人は待機児童に含めるようになりました。なので、某横浜市や川崎市は新定義にのっとれば待機児童数がかなり増えます。

埼玉県でも、この新定義にのっとって2017年度から「原則」集計することになりました。これにともない、前年度比で待機児童数が232人増えました。従来の集計方法で数えていたら14人減っていたことになっていたので、200人以上の復職意思のある育休中の方がしっかりとカウントされたことになります。

ただし、どういうわけか、以下の11市では、従来通りの定義で待機児童をカウントすることにしたようです。(多分大幅に待機児童が増えるから新定義を使わなかったのだと思います。定義見直し意味ない…)

  • さいたま市
  • 川口市
  • 東松山市
  • 春日部市
  • 上尾市
  • 蕨市
  • 戸田市
  • 北本市
  • 八潮市
  • 三郷市
  • 白岡市

埼玉県の発表資料によれば…

なお今回の調査において、新定義の集計によりがたい場合には、従来の定義による待機児童数の算出もできることとなっており、今回待機児童数を新定義により算出した自治体は52市町村、従来の定義により算出した自治体は11市でした。

理由もまったく筋が通っていません。というわけで、この11市の待機児童数は実態よりも少なめになっていると推測できます。(さいたま市なんてゼロ人になってます)

というわけで、いろいろとツギハギの目立つ情報ではありましたが、埼玉県の2017年度版の待機児童ワーストランキングでした。