この記事では、東京都で保活をする方へ向けて、東京都世田谷区が公開した認可保育施設の201 7年4月入園(1次募集)の倍率をご紹介します。
東京都の認可保育園の待機児童数が毎年ワースト1位を誇る世田谷区。東京のみならず全国でもトップクラスの保育園激選区です。4月入園希望者に対して、前年11月末にはすでに申請が締め切られるというスケジュールからも、その激戦度合いがうかがい知れます。
昨年度(2016年/平成28年)の保育園の実倍率は1.96倍、およそ2倍でした。2人に1人が入れないという状況。さらに激戦の1-2歳児クラスの競争率は2倍を超えていて、2人に1人も入れなかったのです。
2017年4月の入園合格通知はまだ発表されていないようですが、現時点でどのくらいの激戦なのか、世田谷区が公開しているデータをもとに、保育園の競争倍率を調べました。
追記:2017年4月の世田谷区の待機児童数は、前年から337人減らした861人だったようです。0歳児・2歳児クラスで大きく数を減らしてきました。
世田谷区の保育園、2017年度の入園倍率=7.75倍
世田谷区全体の全年齢の保育園定員の合計は4,314人でした(2016年10月30日時点の情報)。年齢別の定員で一番多いのは1歳児クラスの1,445人で、続いて0歳児クラスが1,050、他の年次は600人未満です。
2016年12月末時点で、世田谷区が発表した応募者数合計は51,797人でした。つまり倍率は7.75倍、8人応募しても1人しか入園できない、ということになります。
ただし、この倍率は「見た目の倍率」で、本当の倍率ではありません。世田谷区では、1人最高30個まで入園希望を出せるので、実際に応募した人よりも応募者数合計が増えているのです。
真の倍率を調べるには、第1希望の人だけを数えないといけません。
保育園定員の合計4314人に対し、第一希望の応募者は6,680人で、本当の保育園の競争倍率は1.55倍でした。応募者3人いたら2人は入園できるのです。昨年が1.96倍だったので、かなり良くなっています。
ちなみに、第一希望の数が6,680人で、応募者総数が51,797人ということは、ひとり平均第五希望まで出している計算になります。
昨年の状況はこちらの記事をご覧ください。
世田谷区の保育園、年次別の真の倍率
つづいて、世田谷区の保育園における年次別の応募倍率を見ていきます。
- 0歳児…1.70倍 (定員1050人に応募1781人)
- 1歳児…1.85倍 (定員1445人に応募2675人)
- 2歳児…1.90倍 (定員543人に応募1034人)
- 3歳児…1.44倍 (定員608人に応募875人)
- 4歳児…0.70倍 (定員332人に応募231人)
- 5歳児…0.25倍 (定員336人に応募84人)
保育園は一般的に、1歳児が最激戦で、0歳児はそれより激戦でないです。保育園入れるなら1歳になる前の方が良い、と言われます。数字はその通りになっていますが、0歳児ですでに1.7倍なので、かなりの激戦が予想されます。
参考までに2016年の倍率は、以下のようになっていました。応募者数はあまり変わっていなくて、定員が増えたことによって2017年4月入園の競争率が若干下がったようですね。世田谷区は長らく「定員を増やすけれど、それを上回る応募があるので待機児童数が増え続ける」と言われていたので、それが止まったのでしょうか。
<参考:世田谷区、2016年4月入園の保育園倍率>
- 0歳児 … 1.96 倍 (定員 861 人に応募 1685 人)
- 1歳児 … 2.11 倍 (定員 1228 人に応募 2594 人)
- 2歳児 … 2.64 倍 (定員 395 人に応募 1043 人)
- 3歳児 … 1.83 倍 (定員 425 人に応募 779 人)
- 4歳児 … 1.35 倍 (定員 185 人に応募 250 人)
- 5歳児 … 0.41 倍 (定員 188 人に応募 78 人)
世田谷区の保育園、地域別の倍率
世田谷区在住ではないので、馴染みのない名前ばかりだけれど、区役所によると、世田谷区は「世田谷地域」「北沢地域」「玉川地域」「砧地域」「烏山地域」の5つに分かれるようです。地域別に保育園の定員や応募数を集計していたので、地域別の倍率を年齢別に調べました。
世田谷地域の保育園倍率(2017)
- 0歳児…1.74倍(定員321人に応募559人)
- 1歳児…2.07倍(定員385人に応募797人)
- 2歳児…2.88倍(定員106人に応募305人)
- 3歳児…1.80倍(定員143人に応募258人)
- 4歳児…0.76倍(定員93人に応募71人)
- 5歳児…0.30倍(定員81人に応募24人)
世田谷地域(池尻、駒沢、三軒茶屋、太子堂など)は、見た目の競争率が一番高いです。みなさんとにかく併願しているようです。ただ、実際の保育園倍率は北沢地域ほど酷くないようです。とはいえ、1歳児と2歳児は倍率が2倍超えしているので、気休めにしかなりませんね。
北沢地域の保育園倍率(2017)
- 0歳児…1.96倍(定員120人に応募235人)
- 1歳児…2.26倍(定員179人に応募405人)
- 2歳児…2.23倍(定員64人に応募143人)
- 3歳児…1.65倍(定員89人に応募147人)
- 4歳児…1.00倍(定員30人に応募30人)
- 5歳児…0.37倍(定員30人に応募11人)
下北沢や豪徳寺を有する北沢地域は、保育園事情が一番激しいです。0歳児から2歳児クラスまでほぼ2倍超えの競争率です。保育園の最激戦区のなかでもとくに激選区ということで、世田谷区北沢地域は日本一保育園に入るのが困難なエリアかもしれません。
玉川地域の保育園倍率(2017)
- 0歳児…1.82倍(定員258人に応募469人)
- 1歳児…1.71倍(定員406人に応募694人)
- 2歳児…1.41倍(定員192人に応募270人)
- 3歳児…1.02倍(定員198人に応募201人)
- 4歳児…0.54倍(定員126人に応募68人)
- 5歳児…0.15倍(定員144人に応募22人)
奥沢、用賀、等々力などがある玉川地域の保育園事情は、平均的な競争率に見えます。2歳児の競争率は世田谷区内で一番低いです。
砧地域の保育園倍率(2017)
- 0歳児…1.39倍(定員204人に応募284人)
- 1歳児…1.68倍(定員263人に応募441人)
- 2歳児…1.67倍(定員93人に応募155人)
- 3歳児…1.85倍(定員92人に応募170人)
- 4歳児…0.90倍(定員40人に応募36人)
- 5歳児…0.29倍(定員38人に応募11人)
世田谷区の西端にある砧(きぬた)地域は、どの年次も世田谷区にしては競争率が低いようです。0歳児の競争率は世田谷区で一番低くて、0-2歳児までの競争率が全て区平均を下回っています。(とはいえ、応募結果なので、今更どうこうできないのがもどかしいところです)
烏山地域の保育園倍率(2017)
- 0歳児…1.59倍(定員147人に応募234人)
- 1歳児…1.59倍(定員212人に応募338人)
- 2歳児…1.83倍(定員88人に応募161人)
- 3歳児…1.15倍(定員86人に応募99人)
- 4歳児…0.60倍(定員43人に応募26人)
- 5歳児…0.37倍(定員43人に応募16人)
千歳烏山、芦花公園、祖師谷などがある烏山地域は、2歳児の競争率が若干高いものの、0-1歳児クラスの競争率は世田谷区内でも低い水準にあります。ただし、激選区の世田谷区内で低いというだけで、決して低い競争率ではないです。
おわりに:本記事の元データ
この記事は、世田谷区がホームページで公開している「平成29年4月入園について」というページの情報をもとに、作成しました。区は人数だけを公開しているので、その人数をもとに倍率を計算しています。
募集定員:平成29年4月(一次)入園可能数(平成28年10月30日現在)
応募人数(第一希望者数):平成29年4月入園申込者数(最終集計)
地域ごと、年齢ごとだけではなくて、一つ一つの保育園ごとに、何人が応募しているかを調べることができます。
以上、年齢別と地域別に、世田谷区の保育園の応募状況をもとにした保育園の競争率をまとめてみました。一次募集の時点で定員割れしている保育園などでは、例年2月頃に二次募集をするので、いまのうちに調べておきましょう。
昨年に比べて若干競争率が下がっているので、世田谷区の待機児童数は今年は少し減るかもしれません。少しでも多くの方が希望通りに保育園に入れることをお祈りしております。