この記事では、2015年4月1日時点の待機児童数がゼロだった、神奈川県川崎市の保育園制度について、図を交えてわかりやすく説明します。川崎市には認可・無認可の保育園があって、無認可は、川崎認定保育園、おなかま保育室、地域保育園という3つに分類されます。
川崎市の待機児童数がゼロになったというニュースを目にしました。これに関連して、川崎市における保育園の仕組みとして、認可保育園・無認可(認証外)保育園の違いなどをご紹介しましょう。
川崎市の発表によると、川崎市には待機児童がいないらしい
私は横浜で生まれて幼稚園に通い、結婚後は東京の練馬区の保育園に息子を通わせ、いろいろあって現在海外在住です。一時期職場が川崎市にあったのだけど、待機児童問題は東京・横浜と並んで大変だということは聞いていました。しかし!
2015年4月23日の神奈川新聞のWeb(カナコロ)のウェブ記事を引用します。(川崎市のサイトではそういった発表を見つけられませんでした)
川崎市は23日、市内の保育所待機児童数(4月1日現在)がゼロになったと発表した。統計のある2000年以降でゼロは初めてで、438人で県内ワーストだった13年4月から2年で解消させた。
川崎市は神奈川県ワーストから、大幅に待機児童数を減らして、待機児童数ゼロにしたそうです。待機児童って結構定義に欠陥があったりするそうだけど、多いよりは少ないに越したことはありません。
秘訣は、認可外保育施設(いわゆる無認可保育園)を活用したきめ細やかなサポートののようです。数年前に横浜市が待機児童数ゼロを発表したときに似ています。
では、川崎市の保育園の制度はどうなっているのか、川崎市の発表資料を図解したりしてご紹介します。
川崎市における保育制度の概要
川崎市における保育園の制度概要は、川崎市のホームページにPDFで掲載されています。川崎市在住で保育園を探している方は、印刷して手元に置いておくか、最寄りの区役所に行けば印刷版が置いてあるはずなので入手しましょう!!
2015年4月から日本全国でスタートした「子ども・子育て新制度」では、子どもを育てる第一義的責任は保護者にあるんだそうです。その是非はさておき、共働き家庭とか、様々な事情でフルタイムの子育てができない場合は、保育園のお世話になります。(正確には保育園の助成対象2号・3号認定される)
保護者がフルタイムで子育てできる場合は、3歳から幼稚園を利用できます。また、保育園と幼稚園に加えて、「認定こども園」という制度があるのだけど、移行期だからか、実際は保育園部分と幼稚園部分にわかれるようです。(川崎ではまだ2〜3園しか無い様子)
これ以降は「保育園」と書いてある部分について説明していきますね。
川崎市における認可保育園と無認可保育園の違い
保育園には認可保育園と無認可保育園があります。
認可=お墨付きで安全、無認可=安全じゃない、なんて言葉のイメージを持ってしまうけれど、そういうわけではありません。
認可保育園というのは「国の基準を満たした保育施設」ということで、無認可保育園とは「国の基準は満たしていないけれど、地方自治体(県とか市)に届出をした上で営業している保育施設」です。無認可と言わずに「認証外保育施設」と言ったりします。
国の基準を満たした保育園が「認可保育園」です。川崎市の認可保育園は川崎市(の各区役所)に申し込むし、税金による補助があります。保護者の収入にもよるけれど、収入が低い人ほど保育料は安くなります。市民税納税額30万円の人が、3歳未満の子ども1人を保育園に通わせると、保育料月額5万円。市民税5万円だと保育料月額1万円。(あくまで概算。各人でチェックしてくださいね)
そうなると税金の補助がない無認可保育園は保育料が高そうですね。でもそうでもありません。川崎市の場合、ひとくちに無認可保育園と言ってもいろんな種類があります。川崎市の独自基準を適用して、「市のお墨付きの無認可保育園」というのを設定しているんです。
川崎市の保育園の区分を図示するとこうなります。
※正確にはこれ以外にも、小規模保育、家庭的保育といった施設もあるけれど、今回は省略します。
同じ無認可保育園でも、川崎市の基準を満たすと、「川崎認定保育園」「おなかま保育室」と呼ばれ、満たさない場合は「地域保育園」と呼ぶんです。おなかま保育室は3歳未満の小さい子ども向けの施設です。
ちなみに、待機児童ゼロといっても、川崎市は保育園激戦区です。定員以上の申し込みはザラです。
よくわからない方は、当ブログで何度もお伝えしている「待機児童の定義」を読んでみてください。
そんなわけで、「我が家は川崎市で待機児童ゼロだから勝ち組!保活なんてしなくても大丈夫」なんて大間違いです。4月から認可保育園に入園希望する場合、区役所への書類提出締切(前年11月中です!)をお忘れなく。出産後に復職する場合は、家族で出産前から戦略的に動くようにしましょうね。。。