この記事では、大阪府の待機児童数ワーストランキング2016年版を公開しています。大阪府が公開した保育園の待機児童数情報をもとに、大阪府の全市町村の待機児童数のワーストランキングを作成しました。
「子育てJAPAN」では東京都近郊の保育園待機児童数を紹介しています。ただ、大阪府からのアクセスがかなり多いので、大阪府の待機児童数を調べました。なお、筆者は生涯で大阪に2回しか行ったことがありません。
大阪府の待機児童数は、大阪府が毎年公開している情報をもとにしています。
大阪府では年に2回(4月と10月)、府内43の市町の待機児童数および保育園利用者数を集計して公開しています。2016年4月1日時点で、1,434人の待機児童がいたそうです。これは前年度1,365人から69人ほど増えています。とはいえ、保育園に入っている人は、16万人ほどいるので、保育園に入れなかった人は1%くらいしかいなかったようです。
それでは、以下に大阪府の待機児童数を多い順に並べたワーストランキングを公開しましょう。
2016年度:大阪府の待機児童数ワースト1位〜10位
まずは待機児童数が多かった10(ワースト10)の市町です。
1位:大阪市… 273人
2位:吹田市… 230人
3位:豊中市… 217人
4位:茨木市… 147人
5位:東大阪市… 127人
6位:池田市… 71人
7位:八尾市… 47人
7位:交野市… 47人
9位:和泉市… 44人
10位:島本町… 41人
待機児童が大阪府内で一番多い、ワースト1位の汚名に輝いたのは、府庁所在地である大阪市でした。ただ、大阪市は人口も他の市に比べてダントツに多いです。だいたい4.8万人の子どもが保育園に入っています。この4.8万人の保育園利用者数というのは、府内で2番目に多い堺市の3倍くらいあります。子どもが多いから単純に待機児童数が多いようなものです。
一方で、2位と3位の吹田市・豊中市は、どちらも保育園利用者数が6000人程度です。大阪市の8分の1しかありません。それでも大阪市と大差ない待機児童数なので、大阪府吹田市と豊中市はかなりの保育園激戦区であるといえるでしょう。
ちなみに豊中市は前年度(2015年/平成27年度)の大阪府待機児童数で、大阪市を抑えてワースト1位でした。一方で吹田市は前年度の待機児童数は90人(4位に大差をつけられたワースト5位)だったのに、なんと待機児童数が140人も増えて、大幅なランクアップ(待機児童数増加)になっています。
上位10自治体のうち、すでに初めて聞いた名前が半数近くあります・・・。
2016年度:大阪府の待機児童数ワースト11位〜22位
続いて11位から22位までご紹介しましょう。キリが悪いけど、待機児童が報告されているのが22市町だけで、あとは0人なんです。
11位:門真市… 33人
12位:岸和田市… 31人
13位:摂津市… 24人
14位:守口市… 17人
14位:箕面市… 17人
16位:堺市… 16人
17位:大東市… 14人
18位:大阪狭山市… 10人
19位:泉大津市… 8人
20位:藤井寺市… 7人
20位:四條畷市… 7人
22位:富田林市… 6人
大阪の皆様には申し訳ないけれど、聞いたことのない地名が半分を越えてきました。門真市が前年度から33人も待機児童を増やしてしまった以外は、待機児童数は微増あるいは減少しています。
大阪市に続く大都市である堺市は、前年度から待機児童数を38人減らして、着々とランクを下に下げて(待機児童数を減らして)います
2016年度:大阪府の待機児童数ワースト23位
以下が2016年度大阪府の待機児童ワーストランキング最下位である23位タイとなった市区町村です。最下位タイというのは要するに、待機児童ゼロの地域です。
23位:枚方市… 0人
23位:高槻市… 0人
23位:寝屋川市… 0人
23位:泉佐野市… 0人
23位:貝塚市… 0人
23位:松原市… 0人
23位:羽曳野市… 0人
23位:河内長野市… 0人
23位:柏原市… 0人
23位:高石市… 0人
23位:熊取町… 0人
23位:泉南市… 0人
23位:阪南市… 0人
23位:忠岡町… 0人
23位:河南町… 0人
23位:太子町… 0人
23位:田尻町… 0人
23位:豊能町… 0人
23位:岬町… 0人
23位:能勢町… 0人
23位:千早赤阪村… 0人
小さな自治体から大きな自治体まで混ざっているので、保育園を利用している子どもの多い順に並べました。(上に書いてあるほど子どもが多いということになります)
大阪府内待機児童ゼロの自治体で、一番保育園利用者が多いのは枚方市で、7000人越えです。これはワーストランキング2位3位の吹田市と豊中市(それぞれ6000人ほど)よりも多い数です。
泉南市、阪南市、忠岡町、河南町は保育園利用者が200人以上1000人未満、さらに太子町、田尻町、豊能町、岬町、能勢町、千早赤阪村は保育園利用者が200人未満の小さな自治体です。
大阪府内で待機児童を減らそうと頑張っている都市
待機児童が多い・少ないというのは、2つの要素があります。
- 保育園が不足している
- 応募者が増えている
たとえば、待機児童数が全国ワースト1位の世田谷区は、毎年のように保育園を増やしているにもかかわらず、応募者数がそれを上回る増加をみせていて、慢性的に保育園が足りていません。
そんなわけで、保育園を増やしている自治体がどこなのか、サクッとご紹介しましょう。
保育園の数を増やした自治体トップ6
次の自治体は、前年度2015年度に比べて、5園以上保育園を増やしています。
1位:大阪市…43園増加
2位:東大阪市…12園増加
3位:吹田市…9園増加
3位:堺市…9園増加
5位:高槻市…8園増加
6位:豊中市…7園増加
保育園の定員を増やした自治体トップ5
保育園が増えても、定員が減っていては意味がありません。以下の自治体は、前年比で250人以上、保育園の定員を増やしています。
1位:大阪市…7,193園増加
2位:堺市…448園増加
3位:東大阪市…408園増加
4位:豊中市…369園増加
5位:吹田市…259園増加
6位:枚方市…254園増加
顔ぶれはほぼ一緒なのだけど、微妙に順位が入れ替わりました。保育園の数はあまり変わっていなくても、定員の多い保育園を増やした(または既存の保育園の定員を増やした)ところがあったのでしょう。
大阪市は保育園の数も定員の数も増やしています。定員なんて前年比で12%も増やしています。それでも待機児童数は56人も増えてしまっています。吹田市も定員を5%ほど増やしたのに、待機児童は140人も増えてしまいました。どうやら大阪市と吹田市は需要(保育園希望者)と供給(保育園の数)のバランスがうまくいっていないようです。
なお、これ以外の4つの市では、待機児童数が前年よりも減っています。
と、いうわけで、大阪府に44ある自治体の待機児童数を全てご紹介しました。ご自身のお住まいの地域は何位でしたか?
ちなみに、以下に待機児童の定義に関する記事をご紹介します。
「保育園に入れなかった子ども」が待機児童、というわけではありません。もしあなたが保育園に入れずに育休延長して「うちの子が待機児童になっちゃった…」と嘆いていたとしても、国の定義では「育休を延長している人は待機児童に含めない」となっているため、数えられていない可能性があります。
なお、こちらでご紹介した情報は全て、大阪府が公開している調査資料をもとに作成しました。大阪市に限ったことではないのだけど、一番肝心な「待機児童」という言葉の定義が自治体によってバラバラな事があります。実際の保育園入園の厳しさについてはこのランキングを鵜呑みにせず、ご自身で自治体に確認するなどしてください。
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