この記事では2016年(平成28年)度の横浜市の各区における保育園保留児童数(実質上の待機児童数)をワーストランキング形式で紹介します。
当ブログ「子育てJAPAN」では、自治体が主にPDFファイルで発表している保育園待機児童の情報を、整理して公開しています。今回ご紹介するのは神奈川県横浜市です。子どもの数の割に待機児童数がとても少ない横浜市。からくりは「保留児童」という用語を定義して、待機児童という数字を少なく見せているようです。(くわしくは当ブログの記事をご覧ください)
https://kosodatejapan.com/taikijido/yokohama-definition/
また、ひとつまえの記事で横浜市の待機児童数ランキングをご紹介しました。これによると横浜市の待機児童数は、市全体でわずか7名…ほぼゼロです。もうすこし実態を知るべく、保留児童数をつかって、実質的な待機児童ワーストランキングを作成しました。
このランキングを作成するにあたって参照したのは、横浜市のこども青少年局保育対策課が発表している「保育所等利用待機児童数について」という資料です。
横浜市の未就学児人口と待機児童数概況
300万人都市である横浜市の未就学児童数は、2016年4月には18万5,564人でした。東京都の未就学児童数が63万人ほどなので、3割弱の規模ということです。
2016年度の待機児童数はそのうちたった7名ですが、これは実態とは程遠いです。これに育休中の人や、併願せずに落選した人や横浜型保育園に入所した人を足した数、すなわち保留児童数は、3,117人でした。前年度の東京都の待機児童数は7,814人だったので、東京都の4割弱ということになります。横浜市を東京都と比べると、総数比では3割の規模だったのが、待機児童比では4割の規模なので、保育園問題については東京より厳しいのかもしれません。
横浜市の待機児童(保留児童)ワーストランキング
それでは2016年度(平成28年度)横浜市全18区の保留児童数を、多い順にワーストランキングとしてご紹介します。
ワースト3:保留児童数300人越え
- 1位:港北区…564人
- 2位:鶴見区…331人
- 3位:神奈川区…325人
ワースト3〜14位…100人越え
- 4位:戸塚区…255人
- 5位:青葉区…232人
- 6位:磯子区…180人
- 7位:都筑区…143人
- 8位:西区…130人
- 8位:保土ヶ谷区…130人
- 10位:旭区…125人
- 11位:南区…124人
- 12位:緑区…116人
- 13位:港南区…106人
- 14位:中区…103人
ワースト15位〜18位…100人未満
- 15位:瀬谷区…69人
- 16位:栄区…63人
- 17位:金沢区…61人
- 18位:泉区…60人
…というわけで、横浜市待機児童ならぬ保留児童ワースト1位の座は港北区が獲得しました。東京都に世田谷区あり、横浜市に港北区あり、という具合に互いに切磋琢磨…していただきたくないところです。
横浜市の保育園、保留児童数ランキング(2016)の補足
今回のランキングは単純な保留児童数を比較しています。実際は区によって子どもの数が違うわけで、単純比較したら大きな区がワースト上位にきます。一番保留児童数が多かった港北区は当然子どもの数も一番多くて、未就学児童数は一番少ない西区の4倍くらいいます。
全体的に未就学児童の0.7%〜3%くらいが待機児童ならぬ保留児童になる傾向があります。全体平均は子ども18.5万人に対して保留児童が3千人ほどなので、1.7%の子どもが保留児童になっています。
ちなみに、割合で比較すると、子どもが一番多くて保留児童数も多い港北区が一番悪い数字(約3%)で、次に悪いのが子どもが一番少ない西区(2.7%)でした。人口が集中して保育施設が不足することがある反面、人口が少なくて保育施設が少ないために入園できる人が少ない、という2つの要因で保留児童が生まれるのかもしれませんね。