横浜市の実質的な待機児童である「保留児童」ランキング (2017年/平成29年度版)

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この記事では2017年(平成29年)度の横浜市の各区における保育園保留児童数(実質上の待機児童数)をワーストランキング形式で紹介します。

ひとつ前の記事で、横浜市の待機児童数ランキングをご紹介しました。これによると横浜市の待機児童数は、市全体でわずか2名…ほぼゼロです。こんなに少ない理由は記事内で紹介しましたが、保育園に入れなかった3,000人を超える「保留児童」から、様々な事情を考慮して算出した数字ゆえ、実態から乖離した少ない数になっているのです。

そこで、シンプルにどれだけの横浜市民が認可保育園を希望して、入れなかったのかを表す「保留児童」のワーストランキングを作成しました。

このランキングを作成するにあたって参照したのは、横浜市のこども青少年局保育対策課が毎年発表している「保育所等利用待機児童数について」という資料の2017年版です。

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横浜市の未就学児人口と待機児童数概況

300万人都市である横浜市の未就学児童数は、2017年4月には18万2,551人でした。東京都の3分の1くらいの規模です。少子化のためか、毎年数千人程度のペースで減少しています。

一方で、保育園を利用する子どもの数は増えていて、2017年4月は過去最大の65,144人が保育園入園を希望しました。このうち横浜市全体で、3,259人が保育園入園がかなわず「保留児童」となり、育休延長・求職延長・無認可入園・辞退、などの事情がある人を除外した2名が「2017年4月の横浜市の待機児童」と発表されました。

保留児童3,259人というのは、前年度にくらべて127名ほど増えていて、データのある2014年以降、3年連続で増え続けています。

いっぽうで待機児童がいたのは、港北区のみで、他の区では待機児童0人となっています。とはいえ、どの区でも、「希望したけれど保育園に入れなかった人(保留児童)」は沢山います。

横浜市の待機児童(保留児童)ワーストランキング

それでは2017年度(平成29年度)4月における横浜市全18区の保留児童数を、多い順にワーストランキングとしてご紹介します。

ちなみに、前年度は、港北区、鶴見区、神奈川区がそれぞれ300人以上の保留児童をかかえてワースト3を占めました。(前年度のランキングはこちらの記事をご覧ください)

横浜市2017年保留児童:ワースト3

  • 1位:港北区…583人
  • 2位:鶴見区…335人
  • 3位:神奈川区…292人

子どもが多い地域は待機児童も多い、ということで、前年と顔ぶれが全く同じでした。港北区が20人ほど増えて、神奈川区が20人ほど減っています。

横浜市2017年保留児童:ワースト3〜16位…100人越え

  • 4位:磯子区…219人
  • 5位:戸塚区…200人
  • 6位:青葉区…195人
  • 7位:都筑区…164人
  • 8位:南区…162人
  • 9位:保土ケ谷区…148人
  • 10位:西区…146人
  • 11位:中区…137人
  • 12位:旭区…124人
  • 13位:金沢区…121人
  • 14位:緑区…112人
  • 15位:港南区…106人

こういうランキングは、人の多い都市の順位が高くなりがちなので、いくつかの例外を除くと、だいたい前年通りの並び順です。唯一金沢区が前年比60人増でランクを大きく上げてきました。

横浜市2017年保留児童:ワースト16位〜18位…100人未満

  • 16位:瀬谷区…87人
  • 17位:栄区…73人
  • 18位:泉区…55人

下位陣の顔ぶれもあまり変化なしです。泉区は比較的人口が多くて、保育園希望者数も多い方から数えて12番目なのに、2年続けてワーストランキング最下位(保留児童が少ない)に君臨しています。

横浜市の保育園、保留児童数ランキング(2017)の補足

今回のランキングは単純な保留児童数を比較しています。実際は区によって子どもの数が違うわけで、単純比較したら大きな区がワースト上位にきます。一番保留児童数が多かった港北区は当然子どもの数も一番多くて、未就学児童数は一番少ない西区の4倍くらいいます。

未就学児童人口と保留児童の人数を比較すると、だいたい未就学児童の1-2%が保留児童になっていました。また、保育園の定員と比較すると、3-4%の割合で保留児童が発生しています。

ただ、いくつか例外はあります。

保育園入園者に比べ、保留児童の割合が高い自治体(激戦区)

以下の3つの自治体は、(保留児童数)/(保育サービス利用者数) の割合が、8%を超えていました。

  • 西区…9.5%
  • 港北区…8.3%
  • 磯子区…8.1%

つまり、激戦区です。保留児童数ワースト1位の港北区は人口も保留児童数も多い上に、競争率も高いということです。磯子区もワースト4位でした。西区はいちばん人口が少ないのに競争率ばかり高いのだけど、これは繁華街(横浜駅・桜木町駅)を含む中心都市の宿命ですね。

保育園入園者に比べ、保留児童の割合が低い自治体(入りやすい区)

以下の3つの自治体は、(保留児童数)/(保育サービス利用者数) の割合が、8%を超えていました。4%を下回っていました (記載間違ってました、訂正します)

  • 泉区…2.2%
  • 港南区…3.1%
  • 旭区…3.4%

港南区や旭区は、子どもの数は横浜市内では真ん中位の数ですが、比較的競争率は低いようです。保留児童数も少ない泉区は、数字だけ見ればいちばん保育園に入りやすいエリアといえます。(ただし、交通の便があんまりよくなかった印象があります)

コメント

  1. ああ より:

    保育園入園者に比べ、保留児童の割合が低い自治体(入りやすい区)

    「以下の3つの自治体は、(保留児童数)/(保育サービス利用者数) の割合が、8%を超えていました。」は誤りではないでしょうか?
    ※おそらく前のセクションのコピペミス

    よろしくお願いいたします。